アフィリエイター

 ネットであることを調べようとすると、記事はいくらでも見つかるのだが内容に大差がない。もっと深く知りたいと思っても、そうした記事は見つからない。まるでどこかに大元があって、大勢に人がそれをコピーしてUPしているとしか思えない。不審に思ってネットに詳しい友人に話すと、「それはアフィリエイトだよ」と教えてくれた。

 ネットを検索していると、そのサイトには記事に関連したさまざまな広告が出ている。アボカドダイエットを調べると、痩せるサプリメントの広告が多数出てくる。このサイトを検索した人は痩せたい人が多いだろうから、そうした広告をクリックすることは多いはずだ。

 だが、どうしてその記事に都合よく関連した広告が貼り付けられているのだろうか。これはそうした記事を選んで誰かが広告を載せているわけではない。広告を載せるために記事を書いているのだ。これはアフィリエイトと呼ばれる行為で、ダイエット法やお金の増やし方、旅行など話題について記事を書き、そこに広告を貼り付けているのだ。

 そうした広告のバナーはAmazonなどから提供されており、それを自分の書いた記事に貼り付けておいて誰かがクリックするとその人にお金が落ちる仕組みなっている。

 こうしたアフィリエイトが成功するためには、まず自分の記事をユーザーに検索してもらわなければならない。そのためにはGoogleでいかに上位に表示されるかが最も重要だ。Googleで上位に表示されるためには検索者が用いる話題のキーワードを漏らさず含んでいる必要があるが、それだけではだめだ。Googleはユーザーにできるだけ質の高い情報を提供できるようAI(人工知能)を用いて、日夜、記事をチェックしており、ユーザーの誘導を目的としてキーワードばかりを散りばめたような記事はすぐに見抜かれ除外されてしまうからだ。従って、それなりに評価されるためのツボを押さえた記事を書く必要がある。

 アフィリエイトを生業としている人たちはアフィリエイターと呼ばれているが、彼らがまった広告収入を得るためには、少なくとも毎日10本程度の記事を書き続ける必要があると言われている。多くの時間はかけられないので、どこかからの借用になる。一見、専門家が書いているように見える記事も、大半は大元の記事をアレンジしただけの使い回しなのだ。

 そうした記事には、商品の広告だけでなく「関連サイト」の広告も貼ってある。だが、そのサイトもそのアフィリエイターが作ったもので、そこに誘導して新たな広告を見せるのが目的だ。検索者は得たい情報を餌に引き回され、広告ばかり見せられることになる。

 それだけならいいが、問題は記事の信憑性である。あたかも専門家が書いているようでも実は素人だから、記事の内容が誤っていても当人にはわからない。その結果、誤った情報が流布され、例えば健康に深刻な危害を及ぼすようなダイエット記事が氾濫するような事態も起こりうるのだ。

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